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個人塾におけるインボイス制度の影響は?個人塾に与える影響を徹底解説

インボイス制度は2023年10月から全面的に導入されました。

しかし、この新制度が具体的にどのような影響を及ぼすのか、どのように対応すべきなのかについてはまだ理解しきれていない方も多いかと思います。

本記事では、インボイス制度が個人塾にどのような影響を与え、どのように対応すべきかについて詳しく解説します。

適切な対応を行うために、ぜひ最後まで読んで参考にしてください。

個人塾にインボイス制度への対応は必要?

kojinjuku-invoice-3.jpg 結論として、個人塾におけるインボイス制度への対応は、塾の状況によって変化します。

塾の規模や取引の状況を考慮し、インボイス制度への対応が塾にとってプラスになるかどうかを判断することが重要です。

インボイス制度は、事業者間の取引における消費税の計算や申告をより正確に行うための制度です。

主に、取引の際に発行される請求書(インボイス)に消費税率と消費税額を明記することで、消費税の把握を簡単にし、税務上の誤りを防ぐことを目指しています。

また、適格請求書発行事業者として登録するかどうかは、事業者自身の判断に委ねられています。

そして、個人塾におけるインボイス制度の導入は、規模や取引の状況によって大きく異なるのです。

例えば、大規模な取引を行っている個人塾であれば、インボイス制度への対応を検討する価値があります。

一方、小規模な塾であれば、制度への対応にかかる手間やコストを考慮すると、対応を見送ることをおすすめします。

個人塾におけるインボイス制度による影響

インボイス制度の導入は個人塾にも影響を及ぼします。

個人塾のインボイス制度による影響を3つに分けて紹介します。

  • 生徒に対する影響はない
  • 正社員を雇っている塾
  • 講師を業務委託契約で雇っている塾

以下で詳しく解説していきます。

生徒に対する影響はない

インボイス制度は、主に塾経営者や講師の税負担に関わる問題です。

そのため、生徒や保護者から見れば、特に変化はありません。

ただし、塾経営者や講師がインボイス制度による税負担の変化を理由に、講師の採用や授業の内容を変更する可能性はあります。

通常、事業運営に必要な物品やサービスを購入する際、インボイスに記載された消費税を自身の事業における消費税の申告において控除できるものです。

しかし、この制度は課税事業者にのみ適用されます。

そのため、必要な物品やサービスの購入先がインボイスに対応していないと消費税の控除を受けることができません。

このようにして塾側はインボイスに対応した購入先へと切り替えることで、講師の採用や授業の内容を変更する場合があります。

正社員を雇っている塾

次に、正社員を雇っている塾もインボイス制度の影響を受けません。

なぜなら、正社員やパートタイムの講師が受け取る給与は消費税の対象外とされているからです。

正社員やパートタイムは、雇用者に対して請求書を発行する必要がなく、定められた賃金を受け取るだけとなります。

つまり、塾が講師に支払う給与に対して消費税を計算したり、その消費税を控除する必要がありません。

そのため、正社員を雇っている塾は、インボイス制度の導入による税負担の増加や、事務手続きの増加といった問題を心配する必要はありません。

講師を業務委託契約で雇っている塾

一方で、インボイス制度の導入により、業務委託契約で講師を雇っている塾はその影響を受けます。

業務委託契約の場合は「請求書のやりとり」が行われるからです。

もし、契約した講師がインボイス制度に未対応の場合、塾側は仕入税額控除の適用を受けられないという問題が生じます。

一般的に、業務委託を受け付けている講師は、その消費税も売上の一部として請求します。

インボイスに未対応であれば、

  • 講師から請求された消費税
  • 仕入税額控除を受けられない消費税

という2つの税負担を負わなければなりません。

この問題を解決するためには、塾と講師との間で取引条件の見直しを行うことが考えられます。

例えば、講師がインボイス制度に対応するための手続きを行う、請求書に消費税を加算しないよう伝えるなど講師への支払い額を見直すといったことも要検討です。

このように、業務委託契約で講師を雇っている塾は、インボイス制度の導入により取引条件の見直しが必要になる可能性は十分にあります。

インボイス制度に対応する際の注意点

インボイス制度に対応する際、2つの注意点があります。

  • 消費税の納付
  • 講師との取引条件の見直し

以下で詳しく解説していきます。

消費税の納付

インボイス制度の導入に伴い、個人塾の経営者が課税事業者となる場合、消費税の納税義務が発生します。

免税事業者として運営していた個人塾が、インボイス制度へ対応するために課税事業者になると、これまで消費税を納めていなかった分が新たに発生するからです。

結果、事業の収入が減少し、その結果、事業資金に影響をおよぼす可能性があります。

通常、免税事業者に該当するのは「前々年度の課税売上高が1,000万円を超えた場合」です。

しかし、インボイス制度に登録すると、収益(売上高)の額に関わらず、課税事業者として消費税の納税義務が発生します。

この状況を避けるためには、事前に消費税の納税義務が発生することを理解し、その影響を事業計画に反映させることが重要です。

なお、個人塾として開業する際に法人化すると、2年間は前々年度の売上における実態がないことから免税事業者として扱われます。

ただし、この場合もインボイス制度へ登録した場合、起業直後であっても消費税の納税義務が発生する点に注意してください。

講師との取引条件の見直し

インボイス制度の導入により、個人塾の経営者は講師との取引条件も見直す必要があります。

インボイス制度に未対応の講師との取引では、塾側が支払った消費税を控除することができません。

塾の経営におけるコスト増加になるため、事業運営に影響をおよぼす可能性があります。

この問題を解決するためには、塾側が講師との取引条件を見直し、支払い条件や税金の取り扱いなどを再設定することが必要です。

しかし、取引条件の見直しは、公正な交渉に基づいて行う必要があります。

一方的な条件変更を申し付けると、独占禁止法に違反する可能性を捨てきれません。

また、正当な理由なく一方的に取引金額等の値下げを迫ったり、請求額に関係なく支払額を減らしたりするなども下請法に抵触する可能性が非常に高いです。

そのため、個人塾の経営者は、インボイス制度の導入に伴う影響を理解し、その影響を最小限に抑えるための対策を検討することが求められます。

よくある質問

最後に、よくある質問を2つご紹介していきます。

  • インボイスに記載されている税金はどのように計算される?
  • インボイスの管理にどのシステムが効果的?

以下で詳しく解説していきます。

インボイスに記載されている税金はどのように計算される?

「消費税の納税額」は、売上から得た消費税(預り消費税または仮受消費税)と、仕入れの際に支払った消費税の差額で求められます。

納税額 = 預り消費税 − 支払消費税

まず、「売上に係る預り消費税(仮受消費税)」です。

ある月の売上が100万円(税抜)で、消費税率が10%の場合、顧客からは税込みとして受け取る「110万円(100万円 + 10万円の消費税)」が該当します。

次に、「仕入れに係る支払消費税」です。

同じ月に、仕入れが50万円(税抜)で、消費税率が10%の場合、仕入れに支払う55万円(50万円 + 5万円の消費税)のうち、5万円が対象です。

したがって、この月の消費税の納税額は、「売上に係る預り消費税(仮受消費税)」10万円から「仕入れに係る支払消費税」5万円を差し引いた5万円です。

インボイスの管理にどのシステムが効果的?

インボイスの管理には、専用の請求管理システムや会計ソフトウェアの利用が効果的です。

それぞれのシステムは、インボイスの作成、送付、保存などのプロセスを自動化し、請求書の自動生成や支払いの追跡を効率化します。

例えば、クラウド会計ソフトウェアは、インボイスの作成から送付、管理までをクラウド上で一元的に行えて、経理業務との連携も簡単になり、業務の効率化も可能です。

また、電子インボイスシステムは、電子インボイスの発行、受領、保管が可能で、取引先とのデータ連携により、業務の自動化・効率化が図れます。

インボイス制度による影響を理解しよう!

インボイス制度は個人塾にも影響を与えますが、その影響の大きさは塾の経営形態、および講師の雇い方に大きく関係します。

特に、講師を業務委託契約で雇っている塾には直接的な影響が生じます。

そのため、各個人塾は自己の状況に合わせて適切な対策を立てる必要があるのです。

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